出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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「一座の主たる者」が原意。中国仏教では、一般に徳高く学秀でた僧をよぶことが多い。日本では、天台宗の総本山比叡山(ひえいざん)延暦寺(えんりゃくじ)で、854年(仁寿4)4月に円仁(えんにん)を延暦寺座主に任ずる官符があり、開山最澄(さいちょう)を嗣(つ)ぐ義真(ぎしん)にさかのぼって初代座主とした。これは天台座主と称せられ、管長職をさす公称となった。山科(やましな)(京都市)元慶寺(がんぎょうじ)の遍昭(へんじょう)、高野山(こうやさん)金剛峯寺(こんごうぶじ)の寿長(じゅちょう)、醍醐寺(だいごじ)の観賢(かんけん)などから、それぞれの寺主を座主と称することになる。このほか、超昇(ちょうしょう)寺(奈良市、廃寺)、貞観(じょうがん)寺(京都市、廃寺)、法性(ほっしょう)寺(京都市)、極楽(ごくらく)寺(鎌倉市)、東光(とうこう)寺(京都市、廃寺)、日光山輪王(りんのう)寺(日光市)でも座主と称する。
[木内堯央]
大寺の寺務を統轄する僧職。824年(天長元)(822年とも)義真(ぎしん)が延暦寺内で天台座主とよばれたのが初見だが,公的には854年(斉衡元)円仁(えんにん)が勅によって延暦寺座主に任じられたのが初例。以後超昇寺・貞観(じょうがん)寺・嘉祥寺・金剛峰寺・醍醐寺・大伝法院などにおかれた。本来は学徳の抜きんでた上首の意味であり,就任者の資格要件には広汎で優れた学徳が要求されていたが,その後しだいに権門出身者が独占するようになった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…たとえば,皇室ゆかりの名刹では,平安時代から勅許によって門跡(門主)の称が許され,いわゆる門跡寺院が現れた。また,延暦寺は座主(ざす),園城(おんじよう)寺(三井寺)は長吏,東寺は長者,西大寺は長老,本願寺は法主(または門跡),東大寺,興福寺,法隆寺は別当,日蓮宗諸本山は貫主(かんじゆ)(貫首),近世の檀林などの宗学研鑚の寺では能化(のうけ),化主などと,その寺独自の呼称があった。そして,近代ではこれら大寺院は宗派を超えて管長と称すことも多い。…
…天台宗の貫首(管主)で,同時に比叡山延暦寺一山の住職でもあり,山の座主ともいう。824年(天長1)義真が第1代となり,第3代円仁から太政官符をもって補せられ,円仁と第5代円珍は最澄とともに大師号を受けた。…
※「座主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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