天富命(読み)あまのとみのみこと

精選版 日本国語大辞典 「天富命」の意味・読み・例文・類語

あまのとみ‐の‐みこと【天富命】

  1. 日本書紀」などに見える、斎部忌部)氏の祖神天太玉命(あまのふとだまのみこと)の孫神。神武天皇に仕える。祭祀をつかさどり、橿原(かしはら)宮の造営に携わって、種々の神宝を製作した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「天富命」の解説

天富命 あめのとみのみこと

古語拾遺」にみえる豪族
太玉命(ふとだまのみこと)の孫。神武天皇のため橿原(かしはら)の御殿をつくったという。また斎部(忌部)(いんべ)をひきいて神宝の鏡,玉,矛(ほこ),盾(たて),木綿(ゆう),麻をつくらせた。はじめ阿波(あわ),ついで安房(あわ)に移住。麻をうえ,太玉命の社(やしろ)をたてたといわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の天富命の言及

【安房神社】より

…千葉県館山市大神宮に鎮座。本社(上宮)に天太玉(あめのふとだま)命を主神とし,妃の天比理刀咩(あめのひりとめ)命と斎部(いんべ)五部神を配祀し,摂社(下宮)に天富(あめのとみ)命をまつる。《古語拾遺》に,神武天皇東征ののち,すでに阿波国に入りその地を開拓していた斎部氏(忌部氏)の天富命が,さらに阿波国斎部をひきいて東国に至り,安房郡を開拓し,そこに祖神天太玉命をまつったのが本社の創建としるす。…

※「天富命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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