天山南路(読み)てんざんなんろ

精選版 日本国語大辞典 「天山南路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐なんろ【天山南路】

[一] 天山山脈南麓のオアシスを結ぶ東西交通路。中国新疆ウイグル自治区東部のハミ起点にトルファン・クチャ・アクスを経てカシュガルあるいはヤルカンド・ホータンに至り、パミール高原を越えるもの。
[二] 天山山脈以南の地区呼称。主として清代に用いられ、天山・崑崙(こんろん)両山脈の間のタリム盆地をさした。東トルキスタン

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「天山南路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐なんろ【天山南路】

天山山脈南麓のオアシスを結ぶ交易路。中国新疆しんきょうウイグル自治区のハミからトルファン・庫車クチャを経てカシュガルへ至る。また清代には、天山山脈以南の地域、特にタリム盆地をさした。→天山北路

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天山南路」の意味・わかりやすい解説

天山南路
てんざんなんろ

中国、天山山脈を基準としてその南部の地区をさす語。天山北路とともに清(しん)朝時代に使われた。タクリマカン砂漠を含むタリム盆地にあたる。天山山脈、崑崙(こんろん)山脈、パミール高原に囲まれ、山麓(さんろく)地方には古代からオアシス農耕社会が発展し、シルク・ロードが走った。清代には回部(かいぶ)、回疆(かいきょう)ともよばれ、イスラム教徒居住地であった。これらのイスラム教徒はウイグル人とよばれ、この地方の主要人口をなしている。

[佐口 透]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android