アクス(読み)あくす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクス」の意味・わかりやすい解説

アクス
あくす / 阿克蘇

中国、新疆(しんきょう)ウイグル自治区西部にある県級市。タリム盆地の北西部、アクス川沿岸にある。アクス地区の公署所在地で、常住人口50万7700(2015)。毛糸、フェルト製造などの工業が発達し、ワタクワや、中華人民共和国成立後、農業開墾建設兵団によって開かれた水田での水稲栽培が盛んで、クルミ特産である。「水晶塩」や「氷塩」とよばれる岩塩も有名。市北部にアクス空港がある。漢代には姑墨(こぼく)や温宿国に属し、シルク・ロードの拠点の一つであった。

[駒井正一・編集部 2018年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクス」の意味・わかりやすい解説

アクス(阿克蘇)
アクス
Aksu

中国,新疆ウイグル自治区オアシス都市。天山山脈の南麓にあり,阿克蘇川に臨む。交通の要衝で,東は庫車,吐魯番,哈密を経て甘粛に通じ,西は喀什(喀什噶爾),ソーチョ(ヤルカンド)からパミール高原を越えて中央アジアへ出,イラン高原を通って地中海東部に達する,いわゆるシルクロードの結節点にあたり,古くから東西貿易の中継地として栄えた。中国の記録には,前2世紀末に姑墨国として登場する。唐代には撥換城,跋禄迦としても知られた。清末に新疆省が置かれると,アクスには 1884年に温宿州が置かれ,1902年温宿府に昇格した。(→アクス〈阿克蘇〉地区

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