天山北路(読み)テンザンホクロ

デジタル大辞泉 「天山北路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐ほくろ【天山北路】

天山山脈北麓のオアシスを結ぶ交易路。中国新疆しんきょうウイグル自治区ハミからウルムチを経てイリ、またはタラスに至る。また清代には、天山山脈以北の地域、特にジュンガル盆地をさした。→天山南路

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精選版 日本国語大辞典 「天山北路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐ほくろ【天山北路】

[一] 天山山脈北麓のオアシスを結ぶ東西交通路。中国新疆ウイグル自治区東部のハミを起点にバルコール・ウルムチ・グルジアを経てイリに至る。
[二] 天山山脈以北の地区呼称。主として清代に用いられ、天山・アルタイ両山脈の間のジュンガル盆地をさした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天山北路」の意味・わかりやすい解説

天山北路
てんざんほくろ

中国、天山山脈を基準としてその北部の地区をさす語。天山南路とともに清(しん)朝時代に使われた。北東方のアルタイ山脈、北西方のタルバガタイ山脈に囲まれた草原地方で、17世紀にはジュンガルの領土であったが、清朝がこれを征服してから準部(じゅんぶ)(ジュンガル)とよんだ。古代よりトルコ、モンゴル系遊牧民集団の住地で、19世紀以降は中国人、モンゴル人カザフ人などが移住し、ウイグル人の数も増えてきた。

[佐口 透]

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