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天山山脈(読み)テンザンサンミャク

百科事典マイペディアの解説

天山山脈【てんざんさんみゃく】

中央アジア,パミール高原に起こり,中国の新疆を走ってモンゴル南東縁に至る約2500kmの大山系。西部はキルギスタンと新疆を分かち,東部は北のアルタイ山脈との間にジュンガル盆地ジュンガリア)を,南の崑崙(こんろん)山脈との間にタリム盆地を造る。最高は中国領内のトムール山(7439m。ロシア語でポベダ峰)。頂部を準平原化された数条の地塁あるいは傾動地塊山地で,連続性に乏しく,かつ山脈の南北山麓に多くのオアシスを造っているため,これらを東西に結ぶ道が古来天山路として栄えた。シルクロードの南北に位置することから,古くは南の崑崙山脈の〈南山〉に対し〈北山〉と呼ばれた。《大唐西域記》で玄奘三蔵が越えたとされる凌山は,天山山脈の氷河の古道のこと。
→関連項目イシク・クル[湖]イリ[川]キルギス月氏シル・ダリヤ[川]新疆ウイグル自治区タクラマカン砂漠中央アジアハン・テングリ[山]フェルガナ

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世界大百科事典 第2版の解説

てんざんさんみゃく【天山山脈 Tiān shān shān mài】

アジア大陸パミール高原の北から東へ,キルギスと中国を走る山脈。全長約2500km,中国側が少し長い。南北約400kmで,ほぼ東西方向に並走する数条の山脈から成る。古生代後半に形成された褶曲山脈が準平原化し,新生代後半の断層作用で再び上昇してできた山脈で,その間にイリ河谷,トゥルファン盆地などの地溝がある。平均標高3500~5000mで東部は低い。最高峰は国境の勝利(ポベーダ)峰(7439m)。乾燥気候により山麓などでは砂漠や半砂漠がみられるが,北面北極海の湿潤な大気の影響で,中腹以上には夏の放牧に利用される草原や森林がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天山山脈
てんざんさんみゃく / ティエンシャンシャンマイ

中央アジア東部から中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区中央部までを東西に走る山脈。全長2500キロメートル、中国内は約1700キロメートル。標高4000~6000メートルで、数列の平行した褶曲(しゅうきょく)・断層山脈からなり、新疆ウイグル自治区を北と南に分ける。山脈はおおむね北、中、南の三つに分けられる。北天山山脈は氷河が発達し比較的雨量が多く、東方のボグダ山(5445メートル)の中腹1900メートルの地点には天池があり、針葉樹林帯が発達している。中天山山脈はやや低く、イリ河谷などの盆地が多い。湿潤な気候を示し、草原や耕地が広がり、牧畜、農業が盛んである。南天山山脈には天山山脈の最高峰トムール峰(7443メートル)があり高山が多いが、乾燥地域で森林帯はほとんどみられない。また、天山山脈の南東端にはボグダ山脈とチョルタグ山脈とに囲まれた陥没盆地のトゥルファン盆地があり、高温乾燥の独特な気候を示している。[駒井正一]

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