天岩戸(あめのいわと)神話のなかに出てくる神。須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴を恐れた天照大神(あまてらすおおみかみ)は、天岩戸にこもってしまった。困った神々は、天岩戸から出てもらうために神事を行い、また天鈿女命(あめのうずめのみこと)が卑猥(ひわい)な踊りをしたところ、神々が爆笑した。天照大神が不思議に思い、天岩戸を細めに開いたとき、この神が手をとって引き出した(『古事記』)。文字どおり手の力の強い神の意であろうが、この話のなかでつくられた神のようにも思われる。しかし、天孫降臨神話のところに、佐那那県(さなながた)に鎮座されるとあり、伊勢(いせ)国(三重県)多気(たけ)郡に佐那神社があるところからすると、伊勢地方の地方神かもしれない。
[守屋俊彦]
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...