天文測量(読み)てんもんそくりょう(その他表記)astronomical surveying

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天文測量」の意味・わかりやすい解説

天文測量
てんもんそくりょう
astronomical survey

天体、主として恒星太陽高度方位角および時刻を観測し、観測した地点の地球上での位置経度緯度)、方位を定める測量子午儀(しごぎ)、トランシットアストロラーベなどの観測器械と精密な時刻受信装置が用いられる。

[尾崎幸男 2016年11月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天文測量」の意味・わかりやすい解説

天文測量
てんもんそくりょう
astronomical surveying

ある時刻での天体の天球上での高度角,時角,方位を観測することによって,その観測地点の経度,緯度,方位角を求める測量。天文測量でその位置を決定した地点を天測点という。経度などは天球上の位置が正確にわかっている星や太陽の見える方向から計算することができる。そのために恒星の位置を示した天体暦や星表がつくられており,日本では海上保安庁水路部が天体位置表を毎年発行している。観測する地点から見える星の位置は,天頂儀,子午儀,アストロラーベなどを使って,その星が天空の決った位置,たとえば子午線とか卯酉線などを通過する時刻をはかって求める。多少精度は落ちるが,トランシットを使って太陽高度をはかることによっても経度を求めることができる。天文測量によって経緯度と方位角を決定した三角点をラプラス点といい,三角測量で求めたその点の経緯度や方位角との差を点検して,三角網のねじれの規正を行う。

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