方位角(読み)ほういかく

精選版 日本国語大辞典 「方位角」の意味・読み・例文・類語

ほうい‐かく ハウヰ‥【方位角】

〘名〙
① ある方向天頂とを含む平面基準の方向となす角。基準の方向としては一般に南または北、時に東および西をとる。〔工学字彙(1886)〕
② =へんかく(偏角)④〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

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デジタル大辞泉 「方位角」の意味・読み・例文・類語

ほうい‐かく〔ハウヰ‐〕【方位角】

観測者の立つ位置を通る子午線と、ある天体を通る垂直圏とがなす角。天文学では南を零度として西回りに、測地学では北を零度として東回りに測る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「方位角」の意味・わかりやすい解説

方位角
ほういかく

地平座標系において、地平線に沿って測った天体の方向を示す角をいう。より詳しくいえば、天頂と天体(星)を通る大円経線)が地平線と交わる点の方向を示す角である。方位角(単に方位ということがある)は、地平線上の北点または南点を起点として、東西いずれの方向へ測ってもよいが、北半球では、北点から東回りに測るのがもっとも普通である。

[大脇直明]

『太田晃著『北極星・太陽による方位角測定の実際』(1986・日本測量協会)』『暦計算研究会編『新こよみ便利帳――天文現象・暦計算のすべて』(1991・恒星社厚生閣)』『海津優・大瀧茂・後藤勝広著『基準点測量』(1999・山海堂)』

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改訂新版 世界大百科事典 「方位角」の意味・わかりやすい解説

方位角 (ほういかく)
azimuth

目標とする点が東西南北などのどの方位にあるかを厳密に表すために使われる角。地平座標の一つで,高度とともに用いられることも多い。天文学では南を0度として西,北,東とまわる向きで目標点までの角度を測って方位角とするが,測地学やその他の場合には,まわる向きは同じでも,北を0度として測る。南を0度とすれば,西,北,東の方位角はそれぞれ90度,180度,270度である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「方位角」の意味・わかりやすい解説

方位角
ほういかく
azimuth

地平座標において,天球上の一点と天頂を含む大円が地平線と交わる点と,真南の方向との間の角を,その点の方位角といい,西回り,すなわち観測者にとって右の向きを正,左の向きを負としてそれぞれ 180°まではかる。天体の天球上の位置は,この方位角と高度によって定められる。天文学以外で使われる方位角は北から東回りに0°から 360°まではかられ,方位と呼ばれる。

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百科事典マイペディア 「方位角」の意味・わかりやすい解説

方位角【ほういかく】

天球上で,天体と天頂を結ぶ大円が子午線となす角度。真南から西回りまたは真北から東回りに測る。

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世界大百科事典(旧版)内の方位角の言及

【方位】より

…方位観念には,地域,時代によりさまざまな基準によるものがある。
[地図学における方位]
 地球上の1点で,その点を通る子午線の北の方向を基準として測った他の点の方向を方位azimuthという。一般に北の方向から右回り(時計回り)の角度で示し,この角度を方位角azimuth angleと呼ぶ。…

【緯度】より

… 地球以外でも天球座標系の種類に応じて,緯度に相当するものが定義されている。赤道座標系では赤緯(経度に対応したものは赤経),太陽系内天体に対して使われる黄道座標系では黄緯(黄経),銀河座標系では銀緯(銀経),地球上の観測者中心の座標系では高度(方位角)などである。緯度変化極運動経度【若生 康二郎】。…

【三角測量】より

…このためまったく新しく三角網を設定する場合には,三角測量は単独で行われるわけではなく,三角網を固定するために必要な情報を求める測量も併せて行われる。最小限必要なものとしては,(1)適当な1辺の長さ,(2)三角点のうちの1点(測地原点)の経度と緯度,(3)測地原点から特定の三角点方向の方位角(真北から東まわりに測った角)の3種である。(1)は形だけしかわかっていない三角網にスケールを与えるものであり,これにより三角網の大きさが決定される。…

【地平座標】より

…地球上のある点から,天体,遠く離れた山の頂,ある瞬間の航空機の位置など,何か目標となる点の方向を正確に示すことを考えたとしよう。この表し方はいくつかあるが,もっともふつうに使われるのは,その方向を方位を示す角(方位角)および地平線からの高まりを示す角(高度)の二つの量によって表す方法である。これによると,例えば,東京で見る北極星の方向は,方位角―北(から東回りに0度),高度―35度というように表すことができる。…

【方位】より


[地図学における方位]
 地球上の1点で,その点を通る子午線の北の方向を基準として測った他の点の方向を方位azimuthという。一般に北の方向から右回り(時計回り)の角度で示し,この角度を方位角azimuth angleと呼ぶ。 また回転楕円体である地球上の原点(測量や測地座標系の基準となる点)で定めた方位を原方位と言い,これは三角測量その他の測地方位の観測や計算の基準となる。…

※「方位角」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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