天色(読み)テンショク

デジタル大辞泉 「天色」の意味・読み・例文・類語

てん‐しょく【天色】

空の色。
「そのみぎわに若葉の山を映し、水心に―の碧を浮かべ」〈蘆花思出の記
空模様天候
「夜は更けたり。―沈々として風騒がず」〈鏡花夜行巡査

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精選版 日本国語大辞典 「天色」の意味・読み・例文・類語

てん‐しょく【天色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. そらの色。
    1. [初出の実例]「望無窮水接天色、看不尽山映夕暉と云対句の」(出典太平記(14C後)三九)
    2. 「天色(テンショク)、黄なるは風。白くうすきは風雨」(出典:万宝鄙事記(1705)六)
    3. [その他の文献]〔梁元帝‐赴荊州泊三江口詩〕
  3. そらもよう。そらあい。天気。
    1. [初出の実例]「天色清朗なる夜は、更深るまで、かくして業を勤めしが」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉第一板序)
  4. 生まれつき備わっている美しい顔だち。
    1. [初出の実例]「眉秀でて眼中(めもと)(すずや)かなり。粉黛を加へずして自然の天色(テンショク)あり」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)

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