天蚕(読み)テンサン

精選版 日本国語大辞典 「天蚕」の意味・読み・例文・類語

てぐす【天蚕・天蚕糸】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てぐすが(天蚕蛾)〔物品識名(1809)〕
  3. ヤママユ科のテグスガからとれる糸。老熟した幼虫から絹糸腺を取り出し、これを酢酸溶液に漬け、引き伸ばしたものを乾燥させて製する。主に釣糸に用いられる。てぐすいと。てんさんし。〔本朝食鑑(1697)〕
    1. [初出の実例]「七厘ぐらゐのテグスでも、ぷつんと切れますね」(出典:御神火(1943)〈井伏鱒二〉)

てん‐さん【天蚕】

  1. 〘 名詞 〙 昆虫やままゆが(山繭蛾)」の異名
    1. [初出の実例]「又これなるは虫衣(ちゅうえ)と申して天蚕(テンサン)なんどの類より作りし物でござりまする」(出典:新浦島(1895)〈幸田露伴一六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「天蚕」の読み・字形・画数・意味

【天蚕】てんさん

てぐす。

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