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絹糸腺 けんしせんsilk gland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

絹糸腺
けんしせん
silk gland

鱗翅目,毛翅目の昆虫の幼虫にみられる1対の外分泌腺。下唇の変形したもので,細長い管状の腺。カイコガなど厚いをつくるガの類によく発達している。腺内に分泌される2種の蛋白質であるフィブロインセリシンが,吐出の際の力学的張力により固化する。

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デジタル大辞泉の解説

けんし‐せん【絹糸腺】

チョウ・ガなどの幼虫がもつ分泌腺(ぶんぴつせん)。分泌物が空気に触れると絹糸になり、繭の材料となる。カイコガによく発達する。きぬいとせん。

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百科事典マイペディアの解説

絹糸腺【けんしせん】

絹糸のもとになる液状絹を生成して分泌する器官。カイコなどの鱗翅(りんし)目,トビケラなどの毛翅(もうし)目,コマユバチなどの膜翅目をはじめ,さまざまな昆虫の幼虫にみられる。
→関連項目唾液腺フィブロイン

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世界大百科事典 第2版の解説

けんしせん【絹糸腺 silk gland】

チョウやガ(鱗翅(りんし)目),トビケラ類(毛翅目),コマユバチやハバチ(膜翅目)などの幼虫の消化管の下側に沿って走る1対の細長い管状の器官で,絹糸のもとになる液状絹を生成し分泌する。カイコ終齢幼虫の絹糸腺は体重の20~30%に達し,長さ1500m以上の絹糸として吐糸される。腺は前・中・後の3部に区分され,前部糸腺の先端は合一して,下唇先端にある吐糸口につながる。絹糸を構成するタンパク質であるフィブロインは後部糸腺で分泌されて中部糸腺で蓄積され,その外側を覆うセリシンは中部糸腺で合成・分泌される。

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大辞林 第三版の解説

けんしせん【絹糸腺】

昆虫のチョウ目・トビケラ目などの幼虫にみられる一対の外分泌腺。分泌物は空気に触れて絹糸となり繭や巣をつくる。カイコガでよく発達している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

絹糸腺
けんしせん

鱗翅(りんし)目、トビケラ目、膜翅(まくし)目などの昆虫の幼虫がもつ器官。下唇腺(かしんせん)が変化したもので、繭や巣をつづるため糸を出す。これはほかの昆虫で本来の唾腺(だせん)であるものと相同であり、細長い1対の管からなり、消化管の両側から下方に位置し、前端は合一して下唇前端の吐糸口(としこう)に開き、後方では何度も折れ曲がるのが普通である。長いものは伸ばすと体長の7倍に達し、カイコの場合は約4倍あり、3部分が区別され、中部は糸の外層をつくるセリシンsericinを、後部はフィブロインfibroinを分泌する。この両物質ともタンパク質で、後者は管内ではフィブロイノゲンfibroinogenの状態であって、前部の細い管を通過して引き伸ばされると変化し、吐糸口から出ると固まる。分泌部は1層の大きな分泌細胞からなり、各細胞は分枝した大きな核をもつ。なお、前部にある付属腺は2本の糸を接着し、硬くさせる液を分泌すると考えられている。絹糸腺のほかに、シロアリモドキの前肢(ぜんし)にある(ふせつ)腺、甲虫類のガムシの雌にある生殖器付属腺、一部の甲虫や脈翅類のマルピーギ管、チャバネゴキブリの若い幼虫の尾角などからも絹糸が出されることが知られている。[中根猛彦]

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世界大百科事典内の絹糸腺の言及

【フィブロイン】より

…分子量約37万の巨大分子で,大小二つのサブユニット(35万と2万5000)から成ると考えられている。カイコ絹糸腺でのフィブロイン合成系は真核細胞での遺伝情報の調節機構を調べる上でひじょうに都合のよい実験系で,アミノ酸組成と配列の単純さを利点としてフィブロイン構造遺伝子のクローニングが早くから行われている。【宝谷 紘一】。…

※「絹糸腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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