太江寺(読み)たいこうじ

日本歴史地名大系 「太江寺」の解説

太江寺
たいこうじ

[現在地名]二見町江

山号は潮音山、真言宗醍醐派。本尊は木造の千手観音坐像(国指定重要文化財)音無おとなし山の中腹より下方にある。「伊勢名勝志」によれば、当寺の開創は行基で、貞享年中(一六八四―八八)全焼したが、尭誉が中興したという。「勢陽雑記」は当寺を伊勢巡礼の第一番札所と記している。本堂は元禄年間(一六八八―一七〇四)山田奉行長谷川周防守が再建した。古くは江寺といい、康永元年(一三四二)当寺に参詣した坂士仏は「伊勢太神宮参詣記」で「江寺と申観音の霊地にまいりぬ。苔ふみのぼる石橋は磐折にて渓の湾をとかすかなり。黄葉を払てふるき跡をたづね、青竹に携てはるかなるみねにいたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android