日本歴史地名大系 「太良峠」の解説 太良峠たらとうげ 山梨県:山梨市切差村太良峠帯那(おびな)山(一四二二・三メートル)と棚(たな)山(一一七一メートル)を結ぶ稜線の鞍部にある峠。標高一一二〇メートル。自動車道建設以前の峠は、五〇〇メートルほど西方の標高一一六〇メートルの小ピーク付近にあった。近世初頭に描かれたと推定される甲州古城勝頼以前図(恵林寺蔵)に「西保海道石水寺ヲ通ル」と注記されることから、要害(ようがい)山南麓から西沢(にしざわ)川に沿って北上し、当峠を経て切差(きつさつ)から西保(にしぶ)(現牧丘町)に至る道筋が、中世から重要な往還であったことがわかる。雁坂(かりさか)口(現三富町)を越え、武州秩父(ちちぶ)に抜けることもでき、甲府盆地の山裾を通る秩父往還に対し、秩父裏街道ともよばれた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by