奈良尾町(読み)ならおちよう

日本歴史地名大系 「奈良尾町」の解説

奈良尾町
ならおちよう

面積:一五・三六平方キロ

五島列島の中部、中通なかどおり島の南東部に位置する。南北に細長い町域で、東は五島灘に面し、西は若松わかまつ町、北は有川ありかわ町と接する。地勢は南北に狭長で、山林地が広がり、北部のおお川のほかは河川の発達がみられず、平坦地に乏しい。海岸部まで山嶺が迫り、海食による断崖が続き、奇観を呈しているとともに、北部の商人あきんど鼻から南端佐尾さお鼻まで多くの入江に恵まれ、漁業基地が置かれている。国道三八四号がほぼ南北に通るほか、主要地方道の有川―奈良尾線がある。奈良尾港から出る大型フェリーは長崎に結ばれる。

古代には松浦まつら値嘉ちか郷に属し、平安末期から鎌倉期にかけては宇野うの御厨のうちであったと想定される。のち松浦氏一族の勢力が及び、戦国期は宇久氏の支配下に入ったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報