…位階の昇進にあたっては,毎年の勤務評定の結果を一定年数集積し,その総合成績によって昇進階数が決定されるしくみになっていたが,実際に計算どおりの昇叙が行われたのは六位以下の場合にかぎられ,五位以上の昇進には天皇の意向が強く反映した。授位手続上,五位以上は勅授,内六位~内八位までは太政官奏による奏授,外八位および初位は太政官の判定による判授とされた。
[位階制の変化]
大宝令には五位以下の位について,外位(げい)が設けられていたが,これは,地方採用を原則とする官職に就く者を対象としたものであった。…
…律令官人は罪を犯して除名される場合は位記がことごとく破られ,官当などでは位記を毀する(原簿に毀字を注し外印を押す)ことで実刑にかえるなど,位記が重要な役割をはたした。養老の公式令によれば位記には勅授,奏授,判授の別があり,それぞれに書式が定められた(図)。勅授とは勅によって五位以上の位階を授けることであり,奏授とは太政官が奏聞して六位以下を授けること,判授とは式部省(兵部省)が判定して外八位以下を授けることをいう。…
…毎年4月7日を式日とする。諸司官人の六位以下に叙すべき者は,1年間(8月1日より翌年7月末日まで)の勤務成績を考査し,その翌年2月11日の列見(れつけん)を経て,成選人(叙位の資格を認められた人)の位階を擬定し,4月7日,そのうちの内八位以上(五位以上の勅授,外八位以下の判授に対し,奏授という)の名簿を奏上する。これを擬階奏という。…
…位階体系の中心系列である内位,傍系的な外位(げい),勲位を授けること。令制で位階を授ける方式は,内・外五位以上を授ける勅授,内八位・外七位以上を授ける奏授,外八位および内・外初(そ)位を授ける官判授に分かれるが,勲位は六等以上が勅授,七等~十二等が奏授であった。五位以上を授ける勅授の儀は,宮廷の年中行事のひとつになり,男叙位と女叙位とがあったが,ただ叙位といえば男叙位をさした。…
※「奏授」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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