位記(読み)イキ

百科事典マイペディアの解説

位記【いき】

律令制において位階を授ける時に出す文書。勅授(五位以上),奏授(六位以下),判授(外(げ)八位および内外初位)の3種の位記式がある。《延喜式》にはこのほか神位,僧綱,僧尼等の位記式があげられている。現存最古のものは,平安初期に僧円珍の賜った僧位記である。→位階勲等

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世界大百科事典 第2版の解説

いき【位記】

位階を授けるときに発給する公文書飛鳥浄御原令施行ともない689年(持統3)はじめて発行されたが,このときは冠位と位記を併用した。しかし,大宝令の施行とともに冠位を廃し,位記一本立てとした。以後の冠は五位以上の礼服冠にのみ位階による別を規定したが,日常の勤務には五位以上はみな羅(くりのら)頭巾(黒い羅で作った冠),六位以下は縵(くりのまん)頭巾を着用することとし,服色で位階を区別するにとどめた。

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大辞林 第三版の解説

いき【位記】

律令制において、位階を授けるときに与える文書。告身こくしん

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

位記
いき

位階を授与する際の辞令。唐の告身(こくしん)にあたる。浄御原令(きよみはらりょう)(689)より冠にかえて与えた。令制では位記に、勅授(五位、勲六等以上)、奏授(六位、勲七等以下)、判授(外従(げじゅ)八位および内・外初位(そい)以上)の三つの書式がある。勅授の位記は、内記(ないき)が黄紙に書き、太政(だいじょう)大臣、大納言(だいなごん)、中務卿(なかつかさきょう)、式部卿(武官の場合は兵部(ひょうぶ)卿)などが加署したのち、内印(ないいん)(天皇御璽(ぎょじ)の刻印)を押し、勅旨により授けた。奏授、判授の位記は、文官は式部省、武官は兵部省、女官は中務省において白紙に書き、各太政官に送付した。ただし奏授の位記は、太政官より奏聞して授与するが、判授の位記は奏聞せず、太政官がただちに判授した。この両位記にはともに外印(げいん)(太政官印の刻印)を押した。[渡辺直彦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

い‐き ヰ‥【位記】

〘名〙 公式令に規定された公文書の一つ。位を授けられる者に与えられる文書。位階が勅授(五位以上)奏授(六位以下内八位、外七位以上)判授(外八位および、内外初位)に分かれていたのに応じて、書式も異なる。中国の称にならって告身(こうしん)と呼ばれることもあった。位記状。
※続日本紀‐大宝元年(701)三月甲午「始停冠、易以位記
[語誌]位記は、位を持つ者の全員が与えられるものであり、かつ昇進のたびに授けられるものであるから、発給せられた総数は莫大なものであったはずであるが、中世以前の古い位記の現物は、全く伝存していない。ただし、官人位記ではない僧侶の僧位記は、嘉祥二年(八四九)六月二二日の円珍のものが円城寺に現存する。

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