契利斯督記(読み)キリストき

改訂新版 世界大百科事典 「契利斯督記」の意味・わかりやすい解説

契利斯督記 (キリストき)

初代の宗門改役井上政重が後任の北条正房に引き継いだ折の留書や禁教法令などをもとに1797年(寛政9)福山藩儒学者太田全斎が編集した記録書。上下2冊。上冊には宗門奉行の起請文や被疑者に対する取調べ方法,地域別検挙者数,関連法規,教会の組織・教理等を収める。下冊には転伴天連(ころびバテレン岡本三右衛門の〈切支丹勧る心入之事〉や〈対治邪執論(たいじじやしゆうろん)〉その他の排キリシタン文を収めている。幕府当局が残したキリシタン禁制の記録としてきわめて貴重な史料。上冊は《続々群書類従》所収。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「契利斯督記」の意味・わかりやすい解説

契利斯督記
きりすとき

江戸時代初期の禁教記録。2巻。宗門改役井上政重が,転びバテレン岡本三右衛門 (キアラ) らの調書中心に記した,承応明暦,万治年間 (1652~61) 頃の禁教・弾圧関係記録を集録し,北条氏長が編集,のち寛政9 (1797) 年福山藩太田全斎がまとめたもの。キリシタン関係史料として重要。『続々群書類従』『吉利支丹文庫』に収められている。

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