奥武村・奥武島(読み)おーむら・おうじま

日本歴史地名大系 「奥武村・奥武島」の解説

奥武村・奥武島
おーむら・おうじま

[現在地名]玉城村奥武おう堀川ほりかわ

奥武村の集落は現志堅原しけんばる南東、幅約六〇メートルの海峡を隔てて位置する奥武島に形成される。耕地志堅原しちんばる村の北西雄樋ゆーひ川の左岸に広がり、奥武村と志堅原村を併称してオー・シチンバルという。奥武島は面積〇・二三平方キロ、最高点一四メートルの低島。地形は、北側に長辺をもつ半円形海岸段丘と狭小な海岸低地、および離水サンゴ礁からなる。地質は北西部に露出する新第三紀島尻層群の泥岩を基盤とし、それを不整合に覆い海岸段丘をつくる第四紀更新世の琉球石灰岩(港川石灰岩ともよばれ、粟石の石材となる)と低地をつくる第四紀完新世の沖積層および離水サンゴ礁堆積物から構成される。現在、座間味ざまみ村・久米島町・名護市などに同名の島がある。絵図郷村帳に「あふ島」とあり、「琉球国由来記」に村名が載る。間切集成図では志堅原村に向い合う島の北西部に集落が描かれる。島は「廻十四町」で、島の北側と沖縄島との間は一町余あり、沖縄島との間の海に「大船懸所有ル」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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