デジタル大辞泉 「沖積層」の意味・読み・例文・類語 ちゅうせき‐そう【沖積層】 1 沖積世(完新世)に堆積した地層。沖積統。完新統。2 現在の河川による低地の堆積物。また日本では、更新世末の海面低下期に形成された谷をうずめる堆積物をもいう。[類語]地層・炭層・油層・泥炭層・砂礫層・鉱床・鉱脈・金脈・岩盤・古生界・中生界・新生界・第三紀層・第三系・洪積層・断層・活断層・露頭 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「沖積層」の意味・読み・例文・類語 ちゅうせき‐そう【沖積層】 〘 名詞 〙 =ちゅうせきとう(沖積統)[初出の実例]「冲積層及び第三世紀層茲に尽きて、新火山岩のみ累積す」(出典:日本風景論(1894)〈志賀重昂〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖積層」の意味・わかりやすい解説 沖積層ちゅうせきそう 沖積低地を構成する軟弱な砕屑(さいせつ)物の総称。本来の意味は現在の河川活動によって形成された一連の堆積(たいせき)物のことをさす。日本では、最終氷期に刻まれた谷を埋めて現在の地表面までを形成する一連の地層をさし、沿岸湖沼、浅海の堆積物も含む。圧密をほとんど受けていないため軟弱な地層であり、地震動を増幅させたり、地下水のくみ上げによる地下水面の低下で収縮し地盤沈下を引き起こしたりする。[小松原純子][参照項目] | 完新世 | 後氷期 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「沖積層」の意味・わかりやすい解説 沖積層【ちゅうせきそう】 現在の河川の河床あるいははんらん原の堆積物。沖積平野,河原,自然堤防,扇状地などと呼ばれる地形をつくる。礫(れき),砂,泥などの未固結堆積物で構成され,農業や土木工事上重要な意義がある。かつて完新統と同じ意味で用いられたこともあったが,沖積層は更新世のウルム氷期の最終低海水準期(約2万年前)以後の堆積物であり,完新統と同義ではない。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
岩石学辞典 「沖積層」の解説 沖積層 alluvionという語は,水で洗われたまたは水流に関係する語としてすでに16世紀に使用されていた.18世紀には移動する水で形成された堆積物に用いられた.ライエルはこの語を陸上を移動する水からの堆積に限って使用し,湖や海の中に永続的に沈んでいるものには用いないとした[Lyell : 1833].現在は,一般には近年の川の作用による結果堆積したすべての岩屑堆積物に用いられている.この中には川底,洪水平野,湖,山の斜面の裾にある扇状地などが含まれている[Holmes : 1965]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報