女官御双紙(読み)によかんおそうし

日本歴史地名大系 「女官御双紙」の解説

女官御双紙
によかんおそうし

三冊

成立 康熙四四年頃か

写本 琉球大学附属図書館伊波普猷文庫

解説 上巻王妃夫人・世子妃・王女呼称や知行扶持米、大勢頭部以下の御内原の宮中女官らの職掌を記す。中巻は首里三平等の大阿母志良礼と配下の神女の職掌、就任儀礼などを詳細に記す。下巻には聞得大君、三十三君の名称列挙、聞得大君の御新下りの次第などを記す。

活字本 「神道大系」神社編五二沖縄

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「女官御双紙」の意味・わかりやすい解説

女官御双紙
にょかんおそうし

琉球(りゅうきゅう)王国の王妃や禁中の女官、神女などについて記したもの。本書中の記事と『琉球国由来記』の基礎資料となっている点から、1706~13年の成立と推定される。内容は、王妃・夫人、女官、高級神女の名称や扶持米、女神官の由来と職掌、祭祀(さいし)、神職継承など万般にわたり、王国の中央と地方の神女組織が体系的に整理されている。王朝内の祭祀に神女がどのようにかかわったかを知ることができ、国王頂点とする政治的支配機構に対応する神女の宗教的支配機構がうかがえる。伝本には田島利三郎(りさぶろう)筆写本仲原善忠(なかはらぜんちゅう)筆写本(ともに琉球大学図書館蔵)がある。

外間守善

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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