職掌(読み)しきしょう

精選版 日本国語大辞典 「職掌」の意味・読み・例文・類語

しき‐しょう ‥シャウ【職掌】

〘名〙
令制大膳職(だいぜんしき)や左右京職などの職に置かれた下級官人。雑務をつとめる。
※三代格‐四・弘仁九年(818)三月二八日「応職掌二人事〈並令把笏〉」
神社雑用を務め、また神楽なども舞った職員
皇太神宮儀式帳(804)「一職掌雑任三人」
寺院俗役一つ
※東大寺続要録(1281‐1300頃)拝堂篇「先例拝職掌廿人也」
④ 明治二年(一八六九)七月八日皇太后宮職皇后宮職に置かれた判任官。同一〇年八月二九日に廃止された。

しょく‐しょう ‥シャウ【職掌】

〘名〙
担当職務、また役目。また、その担当者
※十七箇条憲法(604)「十三曰、諸任官者、同知職掌
太平記(14C後)二四「院司公卿以下有限之職掌(ショクショウ)等、悉以可恭行之由有其聞
② 寺院に隷属する俗役。
醍醐寺新要録(1620)「醍醐座主御拝堂式〈略〉職掌二人〈友行・清友〉、着冠・赤狩衣、捧白杖」 〔晉書‐楽志下・伯益〕

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デジタル大辞泉 「職掌」の意味・読み・例文・類語

しょく‐しょう〔‐シヤウ〕【職掌】

担当している仕事。職務。
[類語]職務職分勤めにん任務義務責任責務本務使命役目やく役儀ぶん本分職責責め課業日課

しき‐しょう〔‐シヤウ〕【職掌】

律令制で、諸司に置かれた下級職員。
中世、神社に仕えた下級の神官
明治2~10年(1869~77)、皇太后宮職皇后宮職に置かれ公文書類を扱った判任官。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「職掌」の意味・わかりやすい解説

職掌
しょくしょう

仕事を行うのに必要な労働力の種類が質的に似通っている職務を大きくまとめたもの。通常従業員が担当する職務は類似性のあるものが一つの職種としてまとめられ,職種はさらに系統別にまとめられて職務系列の分類が行われる。この職務系列を質的な違いに応じて分類したものが職掌と呼ばれる。たとえば専門的能力を必要とする技術職掌と,生産作業を直接行う作業職掌とに分類される。

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普及版 字通 「職掌」の読み・字形・画数・意味

【職掌】しよくしよう

管掌。

字通「職」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の職掌の言及

【官掌】より

…それぞれ定員は2名。官掌,省掌は史生(ししよう)の配下にあって訴人の行動や言辞を指導し,使部を監督し,官庁の建物や設備を管理・整備することを職掌とする。律令制の官職は,その職掌と勤務形態により,内長上(ないちようじよう),内分番(ないぶんばん),外長上(げちようじよう),外散位(げさんい)の4種に分けられるが,官掌,省掌は内分番の雑任(ぞうにん)の一つであって,交代出勤し,年間の出勤日数が140日以上あれば成績が審査され,8年間(のち6年間)の勤務成績が総合評価されて,位階が昇叙される。…

※「職掌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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