国指定史跡ガイド 「妙心寺庭園」の解説
みょうしんじていえん【妙心寺庭園】
京都府京都市右京区花園妙心寺町にある庭園。妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山で、1337年(建武4)、花園法皇がみずからの離宮を禅寺に改め、関山慧玄(かんざんえげん)を開山として迎えたのが始まり。この庭園は本坊の庭園で、1931年(昭和6)に国の史跡に指定された。庭は前庭、大方丈庭園、小方丈庭園の3つに大別され、前庭は、江戸時代初期に作庭されたもので、勅使門と山門の間に石橋の架かる左右相対の方形の放生池がある。全域が松の疎林になっており、山門北にある四派の松と呼ばれる老松を相対的に植栽した方形の庭園である。大方丈庭園は1654年(承応3)に再建された大方丈の南庭。白砂敷の平庭で3本の老松があり、正面の唐門に向けて方丈正面には2つの盛り砂が置かれている。小方丈庭園は築地塀を隔てて大方丈の東に連なり、小数の庭木と庭石を配置し、築造は古くはないが清閑の風格を漂わせている。JR山陰本線花園駅から徒歩約5分。