妙楽長興寺跡(読み)みようらくちようこうじあと

日本歴史地名大系 「妙楽長興寺跡」の解説

妙楽長興寺跡
みようらくちようこうじあと

現滋賀県日野町川原かわら集落の西、薬師堂の丘陵上のどう山にある。「興福寺官務牒疏」にみえる「妙楽長興寺」の跡といわれ、同書によれば同寺は杉杣すぎぞま寺ともいい、僧房二〇宇を構え、本尊は半丈六尺の薬師如来で、宝亀三年(七七二)に善珠僧正がすぎ大屋おおや神社などの神宮寺として建立したのが草創という。堂山には妙楽長興寺の遺物とされる応安二年(一三六九)銘の石灯籠(国指定重要文化財、盗難により現在所在不明)のほかに、鎌倉時代末期の様式をもつ宝篋印塔や、多くの石仏・五輪塔が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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