娘分(読み)ムスメブン

デジタル大辞泉 「娘分」の意味・読み・例文・類語

むすめ‐ぶん【娘分】

仮に娘として扱うこと。また、その人。特に遊里で、娘として預かり勤めに出す芸妓

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精選版 日本国語大辞典 「娘分」の意味・読み・例文・類語

むすめ‐ぶん【娘分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仮に娘として扱うこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「静は仮の娘ぶんなり 縁辺を頼朝どののとり持ちに」(出典:俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)巖翁独吟)
  3. 許嫁(いいなずけ)の娘で結婚前に嫁入先の家でしばらく生活しているもの。
    1. [初出の実例]「あれはゆくゆく清十郎が、留守をもさせんと存じおさんと申娘ぶん」(出典:浄瑠璃・五十年忌歌念仏(1707)上)
  4. 遊里で、かかえ親を仮親として勤めに出る芸妓。
    1. [初出の実例]「我もいばらき屋の娘分ながらのながれの袖」(出典:浮世草子・好色産毛(1695頃)三)
  5. 江戸、深川の岡場所で、芸妓・踊り子の世話、取締まりや、軽子の指図、客のよしあしの見分けなどをした女。吉原の遣手(やりて)に当たり、多くは、年明け女郎などが勤めた。茶屋、子供屋の主婦となることも多かった。
    1. [初出の実例]「昨日の娘分(ムスメブン)は今日のかみさんと変じ」(出典洒落本・仕懸文庫(1791)一)

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