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若者組 わかものぐみ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

若者組
わかものぐみ

村落ごとに組織された伝統的な成年男子の集団。村内の 15~17歳の青年全員が成年式をすませて加入するというのが普通で,脱退は妻帯を期とする地方が多かった。組織においては年齢階梯制をもち,年長順あるいは選挙などの手段によって選ばれた若者頭の統率のもとに,祭礼への関与をはじめ,村の警防治安,婚姻統制などに役割を果した。

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デジタル大辞泉の解説

わかもの‐ぐみ【若者組】

村落ごとに組織されていた青年男子の集団。多くは、15、6歳ごろに加入し、結婚とともに脱退する。若者宿を本拠とし、村落の警備・消防・祭礼・労働奉仕などに当たった。若衆組。若者仲間。→娘組(むすめぐみ)

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百科事典マイペディアの解説

若者組【わかものぐみ】

年齢集団の一つ。二才(にせ)組(薩摩),若勢(わかせ)組(東北)とも。普通15〜17歳で成年式をすませ加入。一定年齢(25〜35歳)か,婚姻を機に退く。若者頭,宿親の統制下,地域ごとに組織,若者宿があれば合宿して祭礼,村の治安警備,風紀維持に当たる。
→関連項目契約講子供組成年式若衆

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世界大百科事典 第2版の解説

わかものぐみ【若者組】

青年男子の年齢集団。子供組の上位に位置し,娘組と対応する。明治中期ごろまで全国の村落や一部の町に存在したが,まれには昭和初期までその形態をとどめた例もある。呼称としては,東北地方日本海側の〈若勢(わかぜ)〉,東北から九州北部までの日本海側に点在する〈若手(わかて)〉,九州南部から沖縄にかけての〈二才(にせ)〉などがあるが,若者,若い衆,若者仲間,若者組,若連中などと呼ぶ所が多く,このうち若者組の名が学術用語化した。

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大辞林 第三版の解説

わかものぐみ【若者組】

村落別に組織された青年男子の年齢集団。普通は一五歳頃から結婚するまで加入し、村落の警備や祭礼などに若い衆頭の統率のもとに活躍した。若い衆組。若者連。 → 娘組

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

若者組
わかものぐみ

青年男子によって組織された年齢集団。成年女子による娘組に対応する。子供組、若者組、中老(ちゅうろう)組、年寄組と階梯(かいてい)的な年齢集団の中核を占め、他の年齢集団を欠いて若者組だけ存在する場合もみられた。その起源は、鎌倉時代の郎党(ろうとう)など若者組織に求められるとされる。しかし、さらに古くさかのぼるとする説も少なくない。明治30年代以後、政府による地方改良運動により青年会、ついで青年団へと変遷していったが、なお長く旧来の伝統をとどめた。[竹田 旦]

名称

若者組のほか若衆組、若い衆組、若者連中、若組、若連などもあった。東北地方では若者契約、若衆契約、また若勢(わかぜ)、若勢団、近畿地方では若中(わかじゅう)、九州地方では若手、若手組、また二才(にせ)組、二才衆などともよばれた。ほかに非常番、自身番、消防、宮守、宮世話など機能に注目した名称もあった。[竹田 旦]

組織

若者組はそれ自体が階梯的な年齢集団であるとともに、内部組織もきわめて階梯的であった。新入りは小若い衆などとよばれて使い走りの役を勤め、やがて中(ちゅう)若い衆、中老などを経て、宿老(すくろう)などの上層へと進むもので、若者頭その他の役員は通常、最高年齢層から選ばれた。若者組の秩序は個人の能力や出自、財産などとは関係なく、ただ年齢と経験による序列をもって保持され、規律を破り、秩序を乱した者には制裁が加えられた。もっとも重い制裁は、はちぶ、帳外し、組はぶきなどの絶交、除名で、そのときには詫(わ)び証文を入れるとか、仲介者をたてるとかして謝罪しなければ復帰はかなえられなかった。[竹田 旦]

機能

消防、警防や難破船救助にあたったり、祭礼の主役を勤めたりして、若者組は村落自治の一端を担うのが常であった。また山村では植林に、漁村では網漁にと、生産活動に率先する例も珍しくなかった。とくに婚姻に対する関与は著しく、若者頭が出席しなければ婚礼は始まらないという土地さえ存在した。しかしそれらの関与は、若者組そのものというよりは、組員の小集団ないし個人としての性格が濃く、寝宿における自治や「嫁盗み」の習わしも、友人仲間による結合を表現したものにほかならなかった。[竹田 旦]

加入・脱退

数え年15歳ごろの加入が多かった。それは、成人に達し一人前になる年輩と一致し、若者組加入をもってそのまま成年式にかえる場合もみられ、いわゆるイニシエーションinitiation(入社式)の意味をもっていた。加入の儀式は正月の初寄合とか祭礼の前などに若者宿で行われ、新入りは先輩の居並ぶ前に座らされ、若者組の一員として守るべき条項を教え諭された。若者組では、礼儀、作法、身分、風俗に関して厳しく律せられた。新加入にあたり種々の試練が課せられ、心身とも早く一人前になるよう各種の訓練が行われた。それは、若者組に加われば、村寄合や村仕事、祭礼に参加することが許され、また寝宿に通い、恋愛・結婚へと進むことも認められたからである。加入は村内青年全員の義務とするのが常であったが、庄屋(しょうや)、名主(なぬし)や網元の子には加入を免除するとか、また長男に限り加入を認めて次男以下を排除するなど、若者組加入をめぐる権利・義務にも所によって差異がみられた。加入に比して脱退は簡単で、大掛りな儀礼はみられなかった。ただ脱退の条件、年齢は所によりかならずしも一様でなく、結婚するか25歳になればという場合が多かったが、35~42歳まで脱退を許さぬ土地もあった。高年齢まで若者組にとどめたのは、消防や警防などの任務のため一定人員を確保しておく必要からで、東北地方に広くみられた。[竹田 旦]

若者宿

若者組は集会、訓練、作業、娯楽、寝泊りなどのため宿をもつのが常で、一般に若者宿とよばれた。娘組の娘宿にあたる。寝泊りのための宿は寝宿、泊り宿とよばれた。これらの宿として専用の建物をもたない場合は、社寺や若者頭(がしら)の私宅をあてたが、寝宿には民家の一室を借りるのが普通であった。若者宿は若者組活動の起点ともいうべき場所で、ある意味では家庭や村落から離れた別天地の観を呈した。しかし寝宿は若者組の統制から外れ、ツレ、ホウバイ、ドシなど、これを利用する若者仲間の自治にゆだねられた土地も多かった。一般に未婚男女の交際に対して若者組はわりあい寛大であった。[竹田 旦]
『中山太郎著『日本若者史』(1930・春陽堂書店) ▽大日本聯合青年団調査部編・刊『若者制度の研究』(1936) ▽瀬川清子著『若者と娘をめぐる民俗』(1972・未来社) ▽平山和彦著『青年集団史研究序説 上巻』(1978・新泉社) ▽天野武著『若者組の研究』(1978・柏書房) ▽天野武著『若者の民俗――若者と娘をめぐる習俗』(1980・ぺりかん社)』

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世界大百科事典内の若者組の言及

【挨拶】より

…社会における一人前の一つの大きな指標が,他人に対し時や場面に応じて適切な挨拶ができるかどうかにあった。したがって,挨拶は,ムラにおける一人前への教育機関であった若者組での重要な訓練事項であった。伊豆地方の若者組では,加入に際して御条目という心得を言い渡すが,その中には必ずのように挨拶に関する項目があった。…

【シャリバリ】より

…再婚の事例のほか,不義を犯した妻,間男された亭主,亭主をなぐったじゃじゃ馬女房なども,シャリバリに狙われるところとなった。共同体の規範を守る役目は若者の手にゆだねられることが多かったから,シャリバリにおいても若者組が中心的な役割を果たす。その方法としては,相手の家の窓下に押しかけ,一晩中角笛を吹き鍋釜を打ち鳴らすとか,ロバの背に乗せ,大騒ぎをしながら村中ひきまわすといった形がとられた。…

【中老】より

…【高木 昭作】
[村落社会における中老]
 伝統的村落では,壮年男子を構成員とする年齢集団をさし,宿老(しゆくろう)ともいう。全国的に分布するが,若者組(わかものぐみ)(若い衆,若連中)に接続し,若者組を年限がきて脱退した者を構成員とする,独立した組織の所と,若者組内部の組織として,若者組の年長者層をいう所とがある。前者は西日本に,後者は東日本に多い。…

【年齢集団】より

…ヨーロッパではいまのところ,はっきりしたものは報告されていないが,ギリシアのスパルタには年齢集団があったといわれる。 日本では明治期の青年団以前に,全国各地に若者組や娘組がみられたが,ことに中部から西南日本の漁村社会の若者組が民俗学者によって早くから研究された。しかしこれらは広義の年齢集団としてとりあげられはしたが,年齢階梯制という理解には欠けていた点がある。…

【民俗芸能】より

… こうした信仰的機能が民俗芸能伝承の第1とするなら,第2は各地域社会の成人教育に果たした教育的機能である。すなわち,昔の村落では,子供組,若者組と年齢に応じたグループを組織して身心の鍛練に努めたが,そのとき教科に当てられたのが獅子舞,神楽,太鼓踊などの芸能で,祭りを迎えるまでの一定期間,宿に籠って先輩から厳しい稽古(けいこ)を受ける。その訓練を通じて一人前の人間としての精神と肉体をつくり上げるのであるが,その期間の先輩・後輩の交流を通じて,後輩は村と芸能の歴史を知り,また村落の構成員としての連帯感を強くもつ。…

【来訪神】より

…第4はこうした来訪神信仰の担い手の組織および儀礼がきわめて秘儀的性格をもっていることであり,なかにはアカマタ・クロマタのように秘密結社的組織をもつものもある。こうした秘儀的組織は若者たちによって構成される例が多く,若者組や若者宿の習俗と密接な関連をもつといえる。多くの来訪神が女性や子どもたちをしばしば威嚇するのはこうした性格にもとづくものである。…

【若者宿】より

…若者宿という呼称は,(1)若者組の集会所,(2)若者たちの宿泊所,またはたむろする家屋,の双方に対して用いられる。(1)は若者組には必ず付属し,常設と臨時の2種があるが,一般的には民家の一部を借用するもので,ただ単に宿(やど)と呼ばれることが多かった。…

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