嫋嫋(読み)ジョウジョウ

デジタル大辞泉 「嫋嫋」の意味・読み・例文・類語

じょう‐じょう〔デウデウ〕【××嫋/××裊】

[ト・タル][文][形動タリ]
風がそよそよと吹くさま。
薫風―として菜花黄波を揚ぐ」〈織田訳・花柳春話
長くしなやかなさま。
「―と裾を引きながら」〈秋声仮装人物
音声が細く長く、尾を引くように響くさま。「余韻―たる笛の音」
[類語]颯颯春風駘蕩

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「嫋嫋」の意味・読み・例文・類語

じょう‐じょう デウデウ【嫋嫋・裊裊・

〘形動タリ〙
① 風のそよそよと吹くさま。
※和漢朗詠(1018頃)上「嫋々たる秋の風に 山蝉鳴いて宮樹紅なり〈白居易〉」 〔楚辞九歌湘夫人
② 長くしなやかなさま。なよなよとしたさま。また、しなやかにまといつくさま。
※新撰朗詠(12C前)上「居席春深し、五柳門の煙裊々たり〈大江以言〉」 〔鮑照‐在江陵歎年傷老詩〕
③ 音や声が細く長く続くさま。
※蕉堅藁(1403)山居十五首次禅月韻「々樵歌下杳冥、幽庭鳥散暮煙青」
※露団々(1889)〈幸田露伴〉一一「笛は小さき者なれど〈略〉韵(ひびき)嫋々(デウデウ)といと妙に」 〔蘇軾‐前赤壁賦
④ 女性のしなやかで美しいさま。美麗なさま。
※頼山陽詩集(1832)八・観細香画竹屏風賦贈坐有善古操者芳洲「淡淡梳粧裊裊姿、自描柔条闘腰肢
佳人之奇遇(1885‐97)〈東海散士〉一五「姿態裊裊、香露滴らんとす」 〔左思‐呉都賦〕

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普及版 字通 「嫋嫋」の読み・字形・画数・意味

【嫋嫋】じようじよう(でうでう)

しなやかにうちつづくさま。〔楚辞、九歌、湘夫人〕子、北り 目、渺渺(べうべう)として予(われ)を愁へしむ 嫋嫋たる秋風 洞波だちて、木下る

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