家庭医学館 「子どもの急性喉頭炎」の解説
こどものきゅうせいこうとうえん【子どもの急性喉頭炎 Acute Laryngitis】
かぜ症候群から引きつづいておこる病気で、喉頭粘膜(こうとうねんまく)が発赤腫脹(ほっせきしゅちょう)します(赤くなって腫(は)れる)。
冬や季節の変わりめにおこりやすい病気で、声がかれ(嗄声(させい))、声が出なくなる(失声(しっせい))こともあります。
発熱はほとんどなく、空(から)せきが出て、とまりにくくなります。
初めウイルス感染によるかぜ症候群(しょうこうぐん)の症状で、その後、細菌感染による混合感染がおこります。
[治療]
ファイバースコープで喉頭を観察すると、声帯が発赤腫脹し、声を出したときに声帯の間にすき間が見られます。
声帯の安静を保つために沈黙を守ることがたいせつです。
治療としては、湿りけを与えるために、ネブライザーで生理的食塩水を噴霧します。そのほか、抗生物質、せきに対して鎮咳薬(ちんがいやく)(せき止め)、去痰薬(きょたんやく)を併用します。
家庭では、安静を守らせ、保温を心がけるとともに、部屋の湿度を保つことを心がけます。
日常生活の注意としては、かぜをひいたときは、十分に栄養をとり、休養、安静、保温を守らせます。
また、部屋が乾燥しないように注意するとともに、家族は禁煙を守り、部屋の空気を汚さないようにします。