気道内の加湿や薬液投与のための吸入療法に用いられる器具で,水や薬液を細かな霧状に変える。通常の加湿器のように液体をガス状(蒸気)に変えるのではなく,エーロゾルをつくりだす。気道内のエーロゾルの沈着部位は粒子の大きさと気流の速さによっているが,気管支末梢まで届かせるためには径1~3μm大の粒子が最も有効であり,呼吸器疾患の吸入療法で使われるネブライザーは,この程度の大きさのエーロゾルをつくりだすようにつくられている。霧化の方式としては,細いノズルから吹き出すジェット気流によって,吸い上げた液体(ベンチュリ型)や膜状の液体(バビントン型)を吹き飛ばして細かくし,さらに対面する球状の物体に衝突させて砕く方式や,超音波発信圧縮波エネルギーによって物理的に細粒子化する方式(ウルトラソニック型)などがある。
執筆者:工藤 翔二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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