孕石村(読み)はらみいしむら

日本歴史地名大系 「孕石村」の解説

孕石村
はらみいしむら

[現在地名]掛川市孕石

原野谷はらのや川上流右岸の山間にあり、西から南は大和田おおわだ村。「遠江国風土記伝」に孕石は「俗に子持石と曰ふ、石の面十歩計あり、上に神社在り、近村之を斎く、社人の言を記す」と記され、「掛川誌稿」には「水崕に孕石と呼ぶ巨巌あり、村の名是に取る、其巌紫石或青石の小なるものが凝聚して形を結ぶ」とある。中世原田はらだ庄のうちで、同庄本郷ほんごうの一分地頭孕石氏の名字の地とされる。

〔中世〕

天文八年(一五三九)五月二七日の孕石光尚置文(孕石文書)は、光尚が「原田庄本郷之内孕石譜代相伝之知行分坪付石米納所帳」および「国役納所之覚書」という二つの帳簿を書写したもの(→原田庄。同置文によると、「孕石村」には田地が一町二反一丈あり、在家付きの田と所当田を各一反ずつもつ「百姓」とよばれるものが三人いた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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