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宇宙定数 うちゅうていすうcosmological constant

知恵蔵の解説

宇宙定数

アインシュタインが静的な宇宙モデルを作る時に、重力と釣り合う斥力(せきりょく)を表すために導入した定数。宇宙膨張の発見により、一時期、不要視された。しかし20世紀末、宇宙定数は、多種多様な素粒子のエネルギーのゆらぎの効果として現れる真空のエネルギー密度と解釈され、宇宙定数がゼロである必然性はなくなり、理論的にはむしろ莫大な値になる傾向がある。宇宙定数の有無によって、同じ赤方偏移までの距離や宇宙の体積が大きく変わる。このことを利用して、例えばある赤方偏移までの銀河の数や遠方の超新星の明るさの赤方偏移による変化などを観測して宇宙定数を測定できる。近年赤方偏移が1.7に及ぶ遠方のタイプIa型超新星がいくつか発見され、その観測から宇宙定数の存在が確からしくなった。

(二間瀬敏史 東北大学大学院理学研究科教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

デジタル大辞泉の解説

うちゅう‐ていすう〔ウチウ‐〕【宇宙定数】

アインシュタイン一般相対性理論に基づく重力場の方程式に導入された定数。1917年に、アインシュタインが膨張も収縮もしない静的な宇宙モデル(アインシュタイン宇宙)を得るために導入した宇宙項の係数を指す。宇宙項は、重力場方程式において、銀河などの引力によって宇宙がつぶれないよう斥力としてはたらく。のちにハッブルらの観測によって膨張宇宙説が正しいことがわかり、アインシュタイン自ら宇宙項の導入について誤りを認めた。近年、超新星宇宙背景放射の詳細な観測から、宇宙が加速的に膨張していることが明らかになり、再び宇宙項の存在が支持されている。この斥力(負の圧力)の源は暗黒エネルギーとよばれているが、その正体はわかっていない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宇宙定数
うちゅうていすう

宇宙項」のページをご覧ください。

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