安戸浦(読み)あどうら

日本歴史地名大系 「安戸浦」の解説

安戸浦
あどうら

[現在地名]引田町引田

引田村の西北部に位置し、浦の東北は播磨灘が湾入して入江をなし、西は与治よじ(現白鳥町)。山に囲まれた潟湖である安戸池があり、「讃岐国名勝図会」に「海浜までは数丁ありて田畠小山等多くありしに、往古洪水にて陸みな海となれりといふ。今は池の名のみにて海湾なり、厳冬に鯔多くあつまりて幾千万をしらず、網を引くに壮観なり」と記す。また海浜の山の低い所を「いなごえ」といい、昔から池の入口に網を張ると、池内いながみな山を越えて海に入ったと伝える。天保三年(一八三二)高松藩は鯔の稚魚を保護するため、秋の夜の引網を禁止した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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