安澄(読み)あんちょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「安澄」の意味・わかりやすい解説

安澄
あんちょう
(763―814)

平安時代初期の三論宗(さんろんしゅう)の僧。安澄大徳ともいう。俗姓は身人(むとべ)氏。丹波(たんば)国船井郡(京都府)の人。奈良大安寺善議(ぜんぎ)(729―812)から三論の奥義を受け、また密教にも通じた。大安寺に住して弁論に優れ、西大寺の泰演(たいえん)(生没年不詳)と宮中の講会(こうえ)にてしばしば三論、法相(ほっそう)の教理について論議した。著書に『中論疏記(ちゅうろんしょき)』8巻があり、中国、日本の多くの文献を引用していて資料的価値が高い。弘仁(こうにん)5年3月1日、西大寺別院において入寂。

[伊藤隆寿 2017年5月19日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安澄」の解説

安澄 あんちょう

763-814 奈良-平安時代前期の僧。
天平宝字(てんぴょうほうじ)7年生まれ。善議(ぜんぎ)に三論をまなび,密教にも通じ,勤操(ごんぞう)とともに大安寺三論宗を代表する学匠。法相(ほっそう)宗西大寺の泰演(たいえん)とならぶ論客であった。弘仁(こうにん)5年3月1日死去。52歳。丹波船井郡(京都府)出身。俗姓は身人(むとべ)(身人部)。著作に「中論疏記」。

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