安野田御厨(読み)あのだのみくりや

日本歴史地名大系 「安野田御厨」の解説

安野田御厨
あのだのみくりや

阿野田あのだはもと阿野(現天神てんじん町)と豊田とよだが合したものと思われ、中世には内宮領安野田・豊田の両御厨があったと推定される。安野田御厨は建久三年(一一九二)八月の神領注文(神宮雑書)に「安濃田御厨(中略)供祭物 上分米四石」とあり、給主は藤原氏子、国司による免租の子細は追って注進すべきものとされ、御厨設定の詳細は明らかでない。また「神鳳鈔」に「安乃田御厨四石、十二月」とみえる。ただしこの御厨から神宮への貢米は非常に長く続き、享徳元年(一四五二)庁宣には一石、文禄検地帳を転記したと思われる伊勢国中御検地高帳には一〇石三斗五升一合、さらに元禄期(一六八八―一七〇四)以後も年々米四俵を内宮御師正亀大夫を経て納めた事実が知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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