日本大百科全書(ニッポニカ) 「官位令」の意味・わかりやすい解説
官位令
かんいりょう
大宝(たいほう)・養老(ようろう)令の第一篇(ぺん)。律令官人制の基本原理である位階の等級、位階と官職の対応、および勲位の等級、勲位と位階・官職との対応を規定する。ただし勲位の性格については諸説がある。すなわち官位令は、親王と諸王・諸臣を区別し、親王については一品(ぽん)から四品(ほん)までの品位とそれに対応する官職、諸王・諸臣については正(しょう)一位から少初位下(しょうそいげ)までの30の位階と、それに対応する官職として、二官八省以下、国司・家司(けいし)に至る各官司の四等官を中心とするいわゆる職事(しきじ)官を掲げ、勲位については、一等から十二等までが三位(み)から八位(い)までの正従(しょうじゅ)合計12の位に準ずることを規定している。なお官位令には、719年(養老3)創設の衛門府(えもんふ)医師や721年創設の兵衛府(ひょうえふ)医師が規定されていることから、養老律令の718年(養老2)成立を疑問とする説も出されている。
[柳雄太郎]