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宙に浮いた年金記録 ちゅうにういたねんきんきろく

知恵蔵の解説

宙に浮いた年金記録

社会保険庁が管理する年金記録が統合されないままになっていること。保険料を払ったのに記録がないケースは「消えた年金記録」といわれる。宙に浮いた年金記録は5000万件あり、民主党の長妻昭議員の追及で明るみに出て、2007年7月の参議院選挙の争点となった。社保庁は国民年金や厚生年金など制度ごとに年金記録を管理してきたが、転職や結婚などで年金が変わり、複数の番号を持つ人がいた。1997年に1人に1つの基礎年金番号で管理することになったが、完全には名寄せすることができず、宙に浮いた年金記録が生じた。政府は最終的に(1)5000万件の該当者不明の年金記録は08年3月までに照合・通知の作業を終える(2)総務省に社保庁業務を監督する年金業務・社保庁管理委員会を設置する(3)コンピューターに未入力の厚生年金の記録1430万件、船員保険の記録36万件も08年5月までに入力、照合、通知する(4)11年度をめどに年金などの個人情報を管理する社会保障カードを導入する、などの総合対策を決め、安倍首相は「まじめに保険料を払った人には正しく年金を払う」と表明した。また、消えた年金記録については07年6月、総務省に年金記録確認のための第三者委員会が設置され、地方の委員会と連携して本人の申し立てに基づき、救済に当たることになった。総務省には年金記録問題検証委員会も設けられ、ずさんな記録管理の原因究明や責任追及に当たることになった。

(梶本章 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

宙に浮いた年金記録

97年の基礎年金番号導入後は、転職や結婚などで複数の年金手帳を持っている人の年金番号記録は、本人が申請すれば、基礎年金番号記録に一本化される。しかし、申請しなければ、一本化されずに「宙に浮いた年金記録」となる。宙に浮いていても、年金を受け始める年齢になれば、社会保険庁が本人と相談などするのでほとんどが一本化される。それでも一本化できない場合には、実際に納めた保険料よりも年金額が低く設定されてしまうことがある。「消えた年金記録」実際には保険料を納めたのに、社保庁の事務処理ミスなどで記録が残っていないケース。領収書や給与明細を保管していれば、消えた部分を回復させることができる。昨年8月から12月まで社保庁が受け付けた相談で、55人が記録を回復した。

(2007-05-26 朝日新聞 朝刊 2総合)

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