郵便貯金の一種で,正式には定額郵便貯金という。一定の金額,すなわち,1000円,5000円,1万円,5万円,10万円,50万円の金額のいずれかを,一時に預け入れるものであるが,同一種類の金額を何口か預け入れる(例えば5万円を5口で25万円など)ことによって,任意の金額を貯金することができる。6ヵ月の据置期間以後はいつでも払戻しできるが,分割払戻しはできない。利率は,3年になるまでは,預入期間が長くなるにしたがい累進的に高い利率が適用され,3年以上になると,この貯金の最高の利率が預入れの月にさかのぼって適用される。その利子は半年複利で計算され,最長預入期間は10年である。定額貯金にはまた,くじ引きによって割増金品をつける割増金付定額郵便貯金と,勤労者財産形成貯蓄契約の対象として取り扱う財産形成定額郵便貯金がある。
定額郵便貯金制度は,日本が戦時体制に向かいつつあった当時の国民貯蓄奨励運動の一環として,1941年10月,長期性預金の吸収と取扱い上の手数の軽減を目的として設けられたものであるが,郵便貯金の中では最も利殖に適したものであるため,現在では郵便貯金残高の90%を占めている。利息が半年複利で累進的に高まることなどから人気が高く,70年代後半残高が急増した。
執筆者:清水 啓典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…郵便局で取り扱う,小口の個人貯蓄を目的とした国営貯金事業であり,次の6種類のものがある。(1)通常郵便貯金 随時に任意の金額を預入れ,払戻しできるもので通常貯金と通称(銀行の普通預金に対応),(2)積立郵便貯金 据置期間を2年間とし,その間毎月1回の収金に応じて一定金額を預入れするもの(同,積立定期預金),(3)定額郵便貯金 6ヵ月の据置期間があり,預入れ金を分割して払い戻さない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定額貯金と通称,(4)定期郵便貯金 一定の預入れ期間(6ヵ月と1年)があり,その期間内には払戻しをしない条件で,一定の金額を一時に預入れするもので定期貯金と通称(同,定期預金),(5)住宅積立郵便貯金 自己の居住用住宅の建設または購入のために,住宅金融公庫等から資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(3~5年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月1回預入れするもの,(6)進学積立郵便貯金 貯金者またはその親族の進学につき,国民金融公庫等から進学資金の貸付けを受け,かつ必要な資金を貯蓄する目的で,一定の据置期間(1~3年)を定めて,一定の金額をその期間中毎月預入れするもの,である。主力は定額貯金である。…
※「定額貯金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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