宛名印刷機(読み)あてないんさつき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宛名印刷機」の意味・わかりやすい解説

宛名印刷機
あてないんさつき

特定多数の宛名を、葉書封筒帯封(おびふう)、荷札などに必要のつど繰り返し印刷することができる事務用印刷機。液体印刷の原理を用いたものや、謄写印刷の手法を用いたもの、またプレート印刷方式のものなどがある。宛名を刻字した原版にインキを含ませ、葉書や封筒に1枚ずつそれぞれ印刷する仕組みになっている。一般には手動式・電動式のものが多く使われている。普通の印刷は、同一のものを何枚も刷るので版は1回使用するだけだが、宛名印刷機は1版で1回当りの印刷枚数が1枚、逆に版は何十回、何百回と回を分けて印刷するところに基本的な違いがある。版は長期保存できるが、つねに印刷可能な状態で保管されなければならない。最近は、コンピュータに入力し、それらの情報を管理しながら宛名印刷などをハイスピードで作成したり、裁断区分封入梱包(こんぽう)まで一貫して作業を行う大掛りなものもある。

[野沢松男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宛名印刷機」の意味・わかりやすい解説

宛名印刷機
あてないんさつき
addressing machine

得意先株主会員などに反復して郵便物を送る場合,宛名を入れるのに使用される機械。宛名をあらかじめカードに記入し,これを機械にかけて印刷する。ステンシル式,液体謄写式,金属プレート式,光電管式と4種の方式がある。宛先選別が可能で,事務の合理化を進めるうえで有用なので広く普及した。しかし,パソコンによる宛名印刷ソフトが発達してきたため,こちらのほうが広く用いられるようになった。

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