朝日日本歴史人物事典 「実恵」の解説
実恵
生年:延暦5(786)
平安初期の真言宗の僧。「じちえ」ともいう。讃岐国(香川県)の人。俗姓は佐伯氏。大安寺の泰基から法相宗を学ぶ。のちに空海から灌頂を受け,神護寺(京都市右京区)の寺主となる。天長4(827)年に河内国に観心寺(河内長野市)を創建。空海の死亡後,承和3(836)年に東寺長者となり,同10年に同寺に伝法・結縁の灌頂を創始し,真紹に授法した。綜芸種智院を売却し,その収益で東寺の伝法会を始め,高野山の経営にも尽力した。少僧都となり,檜尾僧都と呼ばれた。諡は道興大師。<参考文献>守山聖真『文化史上より見たる弘法大師伝』
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報