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堪航能力 たんこうのうりょくseaworthiness

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

堪航能力
たんこうのうりょく
seaworthiness

船が航海において通常出会うような危険にたえ,安全に航海を終了できる状態。海運会社は,航海の開始にあたって運送契約の目的に合った船を用意する義務があるが,この能力の有無は,人命や財産に重大な関係があるから,法は船長に堪航性があるかどうかの検査義務を課し (船員法8) ,船主に堪航能力担保義務を課して,厳重な賠償責任を負わせている (商法 738,国際海上物品運送法5) 。堪航能力は造船技術の進歩とともに進歩する。鋼船木船新船と古船,在来船と戦時標準船とで異なり,船舶の種類,構造,航路,季節,時期,貨物などによって異なる。一般に,海上の風波への船の抵抗力だけでなく,艤装,乗組員および付属品の整備などの積荷能力を含めた広義の堪航能力をさす。

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デジタル大辞泉の解説

たんこう‐のうりょく〔タンカウ‐〕【堪航能力】

船舶が通常の航海に耐え、安全に航行できる能力。構造・船齢・航海の長短などによって異なる。

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大辞林 第三版の解説

たんこうのうりょく【堪航能力】

ある船舶が安全に航海しうる限界能力。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

堪航能力
たんこうのうりょく

船舶が安全に航海に堪える能力。堪航能力を担保する制度は、航海の安全を図るという公益的理由に基づき、ルイ14世の海事勅令にその起源を発する。その内容は、船体が堅牢(けんろう)で当該航海に堪える能力(狭義の堪航能力)のほか、約定の航海をなすに必要ないっさいの設備、すなわち船長・海員の乗組み、法定書類の備置、燃料・食糧の積込みなど、いっさいの艤装(ぎそう)を完備していること(運航能力)、物品運送の場合には、特定の運送品を運送する船舶の能力、すなわち船倉、冷蔵室その他運送品を積み込む場所を、運送品の受入れ、運送および保存に適する状態に置くこと(堪貨能力)などが含まれる。外航船による物品運送人は、自己またはその使用する者が発航の当時堪航能力を備えるにつき注意を怠ったことにより生じた運送品の損害について損害賠償の責任を負い、運送人はその注意が尽くされたことを証明しなければその責任を免れない(国際海上物品運送法5条)。また、この責任についての免責約款は無効である(同法15条1項)。内航船の物品運送人と外航船・内航船の旅客運送人については、発航の当時船舶が堪航能力を欠如したことにより、運送品や旅客に与えた損害について無過失責任を負い(商法738条・786条)、その免責特約は許されない(同法739条・786条)。なお、船長は発航前に堪航能力を検査する義務を負う(船員法8条)。船舶保険や積荷保険でも堪航能力を欠いた場合、保険者は免責される(商法829条)。[戸田修三]

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