デジタル大辞泉
「客座」の意味・読み・例文・類語
きゃく‐ざ【客座】
1 来客のための座席。
2 囲炉裏に向かって客のすわる座席。横座(主人の席)のわきで入り口に近い座。向かい座。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きゃく‐ざ【客座】
- 〘 名詞 〙
- ① 来客のために設けられた座席。特に、農家の台所の炉で客人がすわる場所。主婦座(主人の座の左右いずれか)の向こう側。
- [初出の実例]「掃 キャクサヲハ ワケソフジスルノテ ヒトノ ココロガ シレルト云」(出典:交隣須知(18C中か)三)
- ② 茶会で、客のために設けられた座席。
- [初出の実例]「きゃくさ、御代田太郎左衛門尉」(出典:伊達家文書‐天正一七年(1589)正月二日・茶湯客座亭座人数書)
- ③ ( ━する ) 客として異郷にいること。
- [初出の実例]「国の為に異国に客坐し」(出典:捕影問答(1807‐08)後)
- ④ 歌舞伎で、俳優の順位。一座の俳優中、座頭、書出し、立女形などの俳優と同等同位の客員待遇を受ける位置。また、その者。〔絵本戯場年中鑑(1803)〕
- ⑤ 江戸時代、牢屋内での格付の一つ。公認されていない牢内役人で、牢名主から見て前方、若隠居の前方にいる。
- [初出の実例]「今もいふ茅町の附届けがよいゆゑに、客座(キャクザ)といって牢内では、一畳敷に居るけれど」(出典:歌舞伎・芽出柳緑翠松前(1883)大詰)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の客座の言及
【いろり(囲炉裏)】より
…家族の成員の位置づけとして,イロリには座の呼称があり,土間から見て奥の部分が横座で,家の主人が座った。横座に向かって右が嬶座(かかざ)で主婦が座り,嬶座の向いが客座であった。そして土間に近い部分が木尻とか下座(げざ)と呼ばれた。…
【歌舞伎】より
…立者のうち,人品,技量ともすぐれた立役の上位者を〈座頭(ざがしら)〉とし,一座を統率する。この座頭と立女方(最高位の女方),書出し(若手の人気者),中軸(なかじく)(座頭と対等の実力者),客座(長老役者)を特に〈大立者(おおだてもの)〉と呼ぶ。 中通り(ちゆうどおり)役者の階級の一つ。…
※「客座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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