日本歴史地名大系 「宮城郷」の解説 宮城郷みやぎごう 山形県:出羽国置賜郡宮城郷「和名抄」に訓はない。他国に同名郷はなく陸奥国宮城郡の訓を東急本国郡部は「美也木」とし、「拾介抄」に「ミヤキ」の訓があるが、同郡の現在の呼称に従う。「大日本地名辞書」は「米府鹿子」に小菅(こすげ)明神は「上長井宮城郷小菅村に在り」とあるのに着目し、現米沢市の北西部、近世の上下の小菅村、田沢(たざわ)村、窪田(くぼた)村や、現東置賜郡高畠(たかはた)町糠野目(ぬかのめ)などから同郡川西(かわにし)町東部にかけての鬼面(おもの)川流域一帯に比定する。 宮城郷みやぎごう 宮城県:陸奥国宮城郡宮城郷「和名抄」諸本とも訓を欠く。「日本地理志料」では川内(かわうち)・南目(みなみのめ)・苦竹(にがたけ)・燕沢(つばめざわ)・小田原(おだわら)・北根(きたね)・荒巻(あらまき)(現仙台市)などにわたる地とする。「大日本地名辞書」では、宮城野(みやぎの)原・国分寺の存在から南目村とする。現仙台市南目付近の木(き)ノ下(した)には陸奥国分寺跡があり、寺域は四方二四二メートルで、各辺の中央に門を設け、塔・鐘楼・経楼などを配した東大寺式。創建瓦の検討から天平一三年(七四一)より天平神護二年(七六六)の間の設置とされる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報