家父長制大家族(読み)かふちょうせいだいかぞく(その他表記)patriarchal extended family

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家父長制大家族」の意味・わかりやすい解説

家父長制大家族
かふちょうせいだいかぞく
patriarchal extended family

家族の統率者たる家長が,家族員に対してもつ権利 (→家長権 ) によって,家族員を支配,統率する家族形態で,明確な世襲的規則にのっとり,指定された個人が支配している状態にある家族である。この概念はおもに家族形態の変遷を叙述するにあたって規定された概念であり,古代中世の家族形態に一般的であるとされている。家父長制家族に支配的な概念は,通常,長男が家産,家長の地位を継承し,家長と家族員との間には支配と服従の関係があり,さらにはこのような家族形態を維持するためのイデオロギーが存在する。家父長制大家族の歴史的位置づけは,私有財産制発達と男子による生産機能の独占化による原始共同体の解体後に成立し,家父長制のもとで家族員に土地財産を分与し,さらに家長権を分割するにいたって解体するところにある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android