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私有財産制 しゆうざいさんせい private property

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

私有財産制
しゆうざいさんせい
private property

生産手段や消費財など一切の財産が原則として個人によって所有され,かつその個人の所有権が法律などにより保障されている社会制度をいう。古代の奴隷制,中世の封建制は私有財産制を基礎としてはいるが,その所有権は共同体ないしは封建制による拘束を受けており,完全な私有財産制ではない。

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百科事典マイペディアの解説

私有財産制【しゆうざいさんせい】

広義には財産の私有を認める制度,狭義には生産手段の私有を基礎とする社会制度をいう。前者は原始共産制の崩壊以後の社会に共通し,社会主義国でも消費財は私有される。後者は資本主義社会の根幹をなし,財産権は法律で保護され,原則的に生産された財貨も生産手段所有者の自由処分に任せられる。
→関連項目資本主義社会主義

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世界大百科事典 第2版の解説

しゆうざいさんせい【私有財産制】

財産とは人間によって支配される外的物資であり,この支配が排他的に個人に属するような社会制度を,一般に私有財産制という。なんらかの形での私有財産は人間社会の歴史とともに古いが,とりわけそれが経済社会の中枢を占める制度として確立したのは近代社会であり,それゆえ私有財産制をより特定化してみれば,近代社会の市場経済体制(資本主義体制)を支える法的,制度的基礎である,ということができる。近代社会では私有財産は法的に保護されるに至る。

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大辞林 第三版の解説

しゆうざいさんせい【私有財産制】

財産の私有を認める社会制度。
生産手段の私有を社会の根幹とする社会制度。資本主義の基礎となっている。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

私有財産制
しゆうざいさんせい
Privateigentum Systemドイツ語

財産の私的所有が制度的・法律的に確認されていること。資本主義社会ではそれが全面的に発展していき、その矛盾も激化する。財産制度は、人間の外界的自然に対する支配の仕方によって、さまざまな形をとる。資本主義社会以前における社会にあっては、主要な財産は土地であり、財産制度は土地所有のあり方によっていた。[河村 望]

土地の私的所有と共同体所有

原始共同体にあっては、自然に働きかける前提としての血縁集団(部族・氏族)があり、土地の共同所有は、むしろ集団的労働の結果であった。このなかから家族が形成されるということは、それまですべて共同所有であった土地のうち、宅地と庭地が家族によって私的に所有され、男系の男子たちによって相続されることを意味した。耕地を含めて残りの土地のすべては依然として共同所有であったが、このような変化に伴って、部族・氏族という血縁集団にかわって、共同の土地所有のうえに成り立つ農業共同体という地縁集団が、連合の基本単位となるに至ったのである。
 その後、家族による土地の私的所有は耕地にまで及ぶが、土地の共同体的所有は、なんらかの形で資本主義社会の成立以前には存続する。たとえば、ギリシア・ローマの都市国家では、耕地の私的所有と共同体所有が並存し、共有地からの収穫は共同体の公共の事業をまかなうのに用いられた。また、封建的土地所有のもとでも生き続けたゲルマンの村落共同体、すなわちマルク共同体Markgenossenschaft(ドイツ語)にあっては、耕地は家族によって私的に占有されていたが、放牧地、森林、採草地などは共同体によって占有されていた。なお、奴隷制や農奴制は、奴隷主や農奴主・領主の私的土地所有の付属的結果として生ずるもので、奴隷や農奴は、家畜と並んで土地の付属物とみなされていたのである。[河村 望]

資本主義的所有

資本主義的生産は、それまで土地に縛り付けられていた労働者が二重の意味で自由な(これまでの古い束縛から自由であると同時に、生産手段の所有から自由な)賃労働者になることによって可能となるが、このことはまた、共同体的土地所有と、それを基礎に成り立つ共同体的諸関係の終極的解体をも意味していた。こうして、資本主義的生産様式は、もっとも純粋な私有財産の形態をつくりだすのである。資本主義社会のもとでは、すべての財貨は個人的、私的に所有される。と同時に、資本主義的私有は、所有における人間と財貨の関係を逆転させる。本源的には、所有は対象的自然に対する意思関係行為であり、われわれのものとして対象と関係をもつことであった。ところが、資本主義的所有は、資本の所有にみられるように、所有者である人間は、単に所有の対象である物の人格化にすぎないのである。[河村 望]
『K・マルクス著、手島正毅訳『資本主義的生産に先行する諸形態』(大月書店・国民文庫) ▽F・エンゲルス著、村井康男・村田陽一訳『家族、私有財産および国家の起源』(大月書店・国民文庫)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の私有財産制の言及

【財産権の不可侵】より

…市民革命期においては,財産権は自由かつ独立の人格の存在を可能ならしめる経済的基盤を構成するものとして,その人権としての重要性が強調されたのである。これに対して,20世紀の諸憲法は,私有財産制によってもたらされた弊害に対処するために,一方では,1919年のドイツのワイマール憲法153条の〈所有権は,義務を伴う。その行使は,同時に公共の福祉に役立つべきである〉という規定に典型的にみられるように,所有権の義務性を強調するようになり,他方では,1918年のソビエト・ロシアの〈勤労・被搾取人民の権利宣言〉をはじめとする社会主義憲法の権利宣言においては,土地その他の生産手段の私有を廃止するに至ったのである。…

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