宿南城跡（読み）しゆくなみじようあと

日本歴史地名大系

宿南城跡
しゆくなみじようあと

• 兵庫県：養父郡
• 八鹿町
• 宿南村
• 宿南城跡

[現在地名]八鹿町宿南 館の上

円山（まるやま）川の左岸、宿南集落南側の標高一五〇メートルの山上にあり、八木氏一族宿南氏の居城であったと考えられる。集落との比高は約一二五メートル、城域は東西約二九〇メートル・南北約三〇〇メートル。主郭は東西五四メートル・南北一五メートルと細長く、その西側は連郭式に二段の曲輪（二五×一〇メートル、九×八メートル）を構築。また主郭南斜面に四段の小曲輪、北斜面の二つの尾根には西尾根に二四段、東尾根に一四段の小曲輪群を山裾まで配置し、竪堀も三本みられる。この小曲輪群の直下に居館跡と思われる字館（たち）（現在は田中神社が移設）がある。主郭の東側は高さ約七メートルの切岸となり、細尾根を約五〇メートルほど進むと東（ひがし）砦に至る。東砦は尾根のピークに設けた曲輪（東西二四メートル・南北一三メートル）を中心に、北尾根に四段、南尾根に七段のかなりしっかりとした曲輪が構築され、周辺には曲輪を切る形で小規模な竪堀が五本構築されている。主郭の南・北斜面に構築された小曲輪群の存在から、南北朝期に起源をもつ城と思われる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」