宿坊村(読み)しゆくぼうむら

日本歴史地名大系 「宿坊村」の解説

宿坊村
しゆくぼうむら

[現在地名]山田村宿坊

中瀬なかのせ村の東方、山田川右岸、赤江あかえ川上流のゆるやかな丘陵地に立地する。村名は、金剛堂こんごうどう(現利賀村・八尾町境)に登拝する修験者たちが宿泊した千坊せんぼう寺があったことに由来すると伝える。別の伝承に千坊寺は常楽じようらく(現婦中町)末寺であったともいう。集落三つに分れており、南東部は柳川やないご、南部は沢連そうれと称する。赤江川が貫流する北部一帯が宿坊地区で、江戸時代は他の二地区を合せて宿坊三ヵ村とよばれることが多かった。貞治五年(一三六六)一二月二二日の足利義詮袖判下文(慶応大学図書館所蔵文書)にみえる「越中国柳河・野積両保地頭職」の柳河は当地と考えられ、近江佐々木一族の高満に勲功の賞として近江国河田かわだ(現滋賀県守山市など)に替えて両保の地頭職を給している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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