宿屋町(読み)しゆくやまち

日本歴史地名大系 「宿屋町」の解説

宿屋町
しゆくやまち

[現在地名]津市東丸之内ひがしまるのうち

大門だいもん町・中之番なかのばん町の南に続く町人町中世安濃津あのつ港町として栄えた津興つおき村地内に、江戸後期まで大門・中之番・宿屋・柳山やなぎやまと南北に並ぶ地名が残され、城下町形成以前の宿屋町などの故地という。

寛永元年(一六二四)の町年寄推挙文書(津市史)では田中次郎兵衛・安右衛門などの名がみえ、元禄一一年(一六九八)調べの津町人分限帳(草蔭冊子)に田端屋田中治郎左衛門・雲井勘三郎・宮崎半三郎・乙部屋吉左衛門らの名があげられる。田中次郎兵衛は正保二年(一六四五)江戸大伝馬おおてんま(現東京都中央区)木綿問屋を開業し、伊勢商人を代表する一人であった。


宿屋町
しゆくやちよう

[現在地名]堺市宿屋しゆくやひがし一丁・宿屋しゆくや西にし一丁

北材木きたざいもく町の北にある大道を挟む両側町。「天王寺屋会記」天文一九年(一五五〇)正月七日条に「宿や四左」とみえ、当町の留島四左衛門が津田宗達茶会に招かれている。また「松屋会記」永禄一一年(一五六八)八月一〇日条に「堺シユクヤ町キラヽ屋」とあり、雲母屋が当町に住していた。「山上宗二記」によると、天正年間(一五七三―九二)の茶人で堺会合衆の一人と目される茜屋宗佐が当町に住んでいたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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