寄磯浜(読み)よりいそはま

日本歴史地名大系 「寄磯浜」の解説

寄磯浜
よりいそはま

[現在地名]牡鹿町寄磯浜

牡鹿半島の東岸、女川おながわ湾とさめうら湾を分界するように突き出した半島部の東森あずまもり山南側の麓に集落が開け、東方の海上には江島えのしま(現女川町)がある。南は鮫ノ浦湾に面し、対岸泊浜とまりはまを望み、西はかむら森を境を鮫ノ浦に接し、北は藤丸ふじまる嶺が塚浜つかはま(現女川町)との境であった。村名の由来は「安永風土記」によれば、いつの頃か一間四方くらいのからと石とよばれる石がこの地の磯辺に流れ寄り、漁船出入りに支障をきたすようになったので、沖に引出したが、もとの位置に寄ってきたことに由来するとしている。前網まえあみは端郷であった。

正保郷帳に田九四文・畑一八二文とあり、柴山と注記される。牡鹿郡遠島十八成組大肝入扱いのうち。藩政期を通じ蔵入地であった。元禄元年(一六八八)一〇月一四日、一五日、大雨で仙台藩領の「海辺潮漲リ」の際、「牡鹿郡(泊)浜新山浜寄(磯)浜ノ辺漁家破壊ス、漁舟二艘破損ス」と「肯山公治家記録」にある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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