日本大百科全書(ニッポニカ) 「富ノ沢麟太郎」の意味・わかりやすい解説 富ノ沢麟太郎とみのさわりんたろう(1899―1925) 小説家。山形県生まれ。早稲田(わせだ)大学予科中退。詩人中井繁一(しげいち)を介し佐藤春夫に師事。1921年(大正10)横光利一(よこみつりいち)らと同人誌『街』、翌年『塔』を創刊。生前、文壇的評価を受けた小説『流星(りゅうせい)』(1924)は自らの心象と自我を独自の幻想的手法で物語った自伝的作品で、没後発表された『あめんちあ』(1925)と並んで自己哀惜的なロマンチシズムを形成している。著作集に横光利一編『富ノ沢麟太郎集』(1936)一冊がある。[栗坪良樹][参照項目] | 佐藤春夫 | 横光利一 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
20世紀日本人名事典 「富ノ沢麟太郎」の解説 富ノ沢 麟太郎トミノサワ リンタロウ 大正期の小説家 生年明治32(1899)年3月25日 没年大正14(1925)年2月24日 出生地山形市 本名富沢 麟太郎 学歴〔年〕早稲田大学予科中退 経歴中学時代から映画を好み、幻想世界の美を文学に求める。佐藤春夫に師事し、大正10年横光利一らと同人誌「街」を創刊、処女作「ムハメットと煙草」などを発表。11年には中山義秀らと「塔」を創刊し、「セレナアド―LUNATIC-STORY」を発表。他の作品に「流星」などがあり、没後に佐藤春夫が「夢と真実」を私家版で刊行。また昭和11年に「富ノ沢麟太郎集」(横光利一編)が刊行された。 出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報 Sponserd by
デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「富ノ沢麟太郎」の解説 富ノ沢麟太郎 とみのさわ-りんたろう 1899-1925 大正時代の小説家。明治32年3月25日生まれ。佐藤春夫に師事し,横光利一らと「街」「塔」を創刊。代表作は自伝的作品の「流星」。没後に横光の編集による「富ノ沢麟太郎集」が刊行された。大正14年2月24日死去。27歳。山形県出身。早大中退。本名は富沢麟太郎。 出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例 Sponserd by