朝日日本歴史人物事典 「富樫満成」の解説
富樫満成
生年:生年不詳
室町時代前期の武将。満家の子。兄弟に満春がいる。応永21(1414)年,当時の史料に「富樫両人加賀国拝領」とあり,満春と共に加賀の守護となる。満成は加賀国半国守護職を得たのである。これ以前の彼らは,室町幕府将軍足利義持の近臣であり幕閣に大きな発言権を持っていた。23年に起こった上杉禅秀の乱の京都側の首謀者であった足利義嗣を糾問して,事件後の幕政の主導権を握ったのも満成らであった。だがこの権勢も長くは続かなかった。25年11月,満成は将軍義持の愛妾と密通したことなどを理由にされて追討を受けて失脚し,翌年河内で殺害された。<参考文献>伊藤喜良「義持政権をめぐって」(『国史談話会雑誌』豊田武・石井孝両先生退官記念号)
(伊藤喜良)
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